「どうですか、 うしお さん?」 |
「いや、 よく間に合ったな と思っています。」 |
「最後に、 うしお さん、まだチャンスがあったならば、特撮をお作りになりたいですか?」 |
「 当たり前じゃないですか。 まかせてください、いつ(話が)きてもいいように リメイク用の脚本は全部できています! 」 |
「
宇宙猿人ゴリ
」
の初回視聴率はわずかに
6
%
。 「 巨人の星 」には遠く及ばなかった。 当然のように局内からは、 別所 や うしお に対し非難の声があがった。 「いや、こんなもんじゃない。 うしお さんの作品だ。 いつか化けるに違いない 。」 武田 、防波堤となり、必死に2人のことを擁護し続けた。 その 武田 の思いが通じたのか、不思議なことに、放送回数を重ねるたびに 視聴率が伸びた。 そして、運命の 4月10日 、 第14話「大地震東京を襲う!!」の回、ついに うしお 達は、
視聴率で「
巨人の星
」を
追い抜いた。
特撮にかけた プロジェクト の 勝利 であった。 また、この日、NETでは後に大ヒットを飛ばす東映の「 仮面ライダー 」第2話「恐怖蝙蝠男」が放送された。 前日には、TBSで、円谷の「 帰ってきたウルトラマン 」第2話「タッコング大逆襲」が放送されていた。 武田 が読んだとおり、 「第2次怪獣ブーム」 、またの名を 「変身ブーム」 の始まりだった 「 宇宙猿人ゴリ 」 は、その先鞭をつける作品となった。 「 宇宙猿人ゴリ 」は、その後、 「 宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン 」 、 「 スペクトルマン 」 とタイトルを変え、昭和47年3月25日まで全63話が放送された。 |