「今回は、もうお一方、ゲストをお迎えしております。 うしおそうじさん のご子息で、音楽プロデューサーでもあります 鷺巣誌郎 さんです。」
「 誌郎 さん、どうぞ。」
「 誌郎 さんは、当時小学生くらいですか?」
「そうですね。」
「あのお、お父様方の仕事ぶりを見て、どのようにお感じになりましたか。」
「むちゃくちゃでしたね。自分が夜寝て、朝起きてきても、同じ人が仕事をしているんですから。まあ、その後、 自分がそういう立場になるとは思っても見ませんでしたが。 」
「何か、 誌郎 さんも、『 宇宙猿人ゴリ 』の宣伝を手伝ったんですって?」
「ええ、新聞に折り込むチラシってありますよね。それを 大晦日に東京中の新聞屋に配って歩きました。 」
「 うしお さん?」
「いやね、放送開始まで間がなかったものだから、局側でもまんぞくな宣伝ができなくてね。それじゃ『 巨人の星 』に勝てるものも勝てないから、新聞に折り込みチラシでも入れようってね。」
「それで大晦日に?」
「そうそう。1月2日放送でしょ、当日は休みで新聞が無いからって、慌てましたよ。」
「まるで、北島マヤですね。」
「ええと、 うしお さん自らチラシを搬入したんですか?」
「ええ、人も金も無かったからなあ。暇なのは俺一人だったんですよ。元々、そのチラシも、秋田書店に『 宇宙猿人ゴリ 』の漫画化権を担保に、 無料で作ってもらった ものでしたし。 誌郎 には迷惑かけたなあと思ってます。」
「 誌郎 さん?」
「ええ、大変でしたよ。でも、全ての搬入が終わった後で食べた焼肉が、すごくうまかったのを覚えています。」
「いろいろな苦労の末、『 宇宙猿人ゴリ 』はいよいよ放送開始日を迎えます。」
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