うしお
、とにかく速く仕事をこなすスタッフを集めた。
脚本は、短時間で脚本を上げることで有名な
辻真先

に依頼した。
後になって、
辻
が当の「
巨人の星
」の脚本家
であったことに気づき愕然とした。
それでも
辻
は、
約束通り脚本を仕上げてきた。
スペクトルマン
の造型を最初に依頼されたのは、
ウルトラ怪獣
で有名な
高山良策
であった。
しかし、
高山
は
ウルトラマン
の仕事で忙しく、代わりに
「
異人館工房
」
を紹介した。
異人館工房
鈴木徹
と
井上繁
、

うしお
と
別所
に囲まれながら、一日で
スペクトルマン
の原型を完成させた。
監督の人選も難航した。
幾人かに声をかけたが、製作日数を聞くと皆逃げ出した。
「さすがになあ、こんなバカげた仕事を受けるヤツはいないか。」
うしお
、ため息をついた。
その時、
しばらく考え込んでいた
別所
、ハタと思いついたように言った。
「
土屋
はどうだろう。彼は
新東宝
の出だから、何とかしてくれるんじゃないか。」
別所
の口から出たのは、以前、「
マグマ大使
」、「
怪獣王子
」で監督を務め、
うしお
達と気心の知れた
土屋啓之助
の名前であった。
「
土屋
くんは
新東宝
だったか。ならば、驚かないかもしれないなあ。」
早速、
うしお
、
土屋
に連絡を入れた。
うしお
、
「かなり厳しい日数だが監督を受けてくれないか。」
土屋啓之助
、さすがに驚いた。
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