亀田興毅が疑惑の判定で世界タイトル獲得! WBA世界ライトフライ級王座決定戦12回戦(2日、横浜アリーナ) 世界タイトル初挑戦となった同級2位の亀田興毅(19)=協栄=が 同級1位のファン・ランダエタ(27)=ベネズエラ=を2−1の判 定で破り、新王者となった。亀田は12戦12勝(10KO)で無敗 のまま世界の頂点に駆け上がった。3兄弟で世界王者の夢の突破口を 開いた興毅は、3階級制覇に向けて、豪快KOで扉を開いた。 5年以上前から「亀田少年」のボクシングは、地元・大阪で話題には なっていた。亀田は少年時代からの強烈な個性と実力を見込まれ、テ レビ局の大がかりな支援も得て東京に進出。一気に人気は“全国区” になり、テレビとの「タイアップ」で認知度を上げた。異例の形で成 功したニューヒーローの誕生である。  子どものころからトレーニングを積んできた大阪のグリーンツダジ ムから東京の協栄ジムに移籍した昨年4月が節目となった。グリーン ツダ側は「最低落札価格3000万円で入札にかける」との方針を示 し、これに応じた協栄ジム側が東京のテレビ局と巧みに連携した。 テレビ局の担当者は「これまでにないキャラクター。ファンへのサー ビス精神も実力もあり、魅力的な世界チャンピオンになると考えた」 と先行投資。人気、実力兼ね備えたヒーロー演出を狙っていたことを 明かす。 そんな亀田はボクシング界に、ある現象も引き起こしている。毎日の ようにテレビに露出した効果か、小中学生の練習生が全国のジムで増 加しているという。子どもを対象にしたボクシング教室も各地で開か れ盛況だ。元世界フライ級王者でもある花形ジムの花形進会長は「殴 り合う競技。やらせたがらない親が多いが増えている。これも“亀田 効果”なのかねえ」と言う。 日本ボクシングコミッションの安河内剛事務局長は「ボクシングは深 夜の録画放映ばかり。それでは子どもの目に触れない。亀田君を通じ て、小さな子どもが興味を持ってくれるのは素晴らしい」と、亀田の 及ぼすプラス面の影響を歓迎している。 ボクシングを始めたのが小学校高学年のとき。大阪で芽生えた小さな 才能は、周囲とうまく調和しながら大きくなった。二男・大毅、三男 ・和毅も同じ道をたどろうとしており、「亀田3兄弟」は今後の日本 ボクシング界に大きな影響を与えていきそうだ。