記録、それはいつもはかない。
一つの記録は、一瞬のうちに破られる運命を自ら持っている。
それでも人々は記録に挑む。
限りない可能性と、ロマンをいつも追い続ける…。
それが人間なのだ。
次の記録を作るのは、あなたかもしれない。
2004年1月10日、
その日の日記にこうある。
今日は休みだったので
以前からの懸案であった
うまい棒100本勝負
という企画の準備のためにリサーチする
うまい棒100本勝負というのは
うまい棒のサラダ味を100本水ナシ
で完食するという企画である
実にバカバカしい企画だが
水ナシ
というのがポイントだ
そうでなくてもあのサラダ味というのは
少々味付けが濃く、たべていると水が飲みたくなるのだが
そこをいかにクリアするか
それが見所である企画だと思われるわけだが
どこにいけば「うまい棒」を100本も入手できるのか
これが最大の難関である
誰か盛岡市内でうまい棒のサラダ味を100本ほど入手できそうな店を知ってたら
教えてくれるとありがたいです
書きながら思ったのだが
水を飲まずに云々というより
30代半ばのいい歳こいたジジイが大食いネタをやるという事事態が
見所のような気がしてきたなあ
いや、まだまだ20代には負けませんよ
そうか、
なら
喰
ってもらおうじゃねーか。
団 | 「………。」 |
重 | 「こうやって見ると、意外と多いですね。」 |
K | 「いや、俺らがガキのころより一回り小さくなってるから楽勝でしょう。」 |
団 | 「そ、そうなのか。気のせいでは。」 |
重 | 「それはそうと、確か水ナシでしたよね。」 |
団 | 「………。」 |
まず、1本手にとってみる。
重 | 「1本目を前にして、感想とか、意気込みとかをどうぞ。」 |
団 | 「いや、とくに無い。」 |
K | 「じゃ、さっさと喰ってください。」 |
団 | 「うむ。」 |
ついに激闘の幕が切って落とされた。
重 | 「うまいですか?」 |
団 | 「いや、何というか、そのままの味だな。」 |
K | 「そうですか。ただ、おいしさアップしたようですよ。」 |
団 | 「なにっ?」 |
K「ほら。」
K | 「で、どうですか?」 |
団「ただ単に味が濃くなっただけのような気がするぞ。」
そんなこんなで、
あっという間に50本達成!
K | 「えーと、今のところだいたい1分で1本ペースですね。」 |
団 | 「………。」 |
重 | 「とりあえず、50本完食の感想などは?」 |
団 | 「………。」 |
K | 「テンション下がってますね。どうかしましたか?」 |
団 | 「舌の先が痺れてる。」 |
重 | 「はい?」 |
団「舌の先が痺れてる。」 | |
団「口の中が粉っぽくて、歯触りが悪い。」 | |
団「それに、なんか寒い。」 | |
K | 「なんと、そんな異変が起こってたんですか。」 |
団 | 「うむ。」 |
重 | 「大丈夫ですか?リタイアしますか?」 |
団 | 「いや、まだいける。」 |
重 | 「一応、水は用意してますから、無理なら言ってください。」 |
団 | 「まだ大丈夫だ。ところで、」 |
重 | 「はい?」 |
団 | 「君らは何を食っているんだね?」 |
K | 「昼飯です。途中のコンビニで買ってきたんです。」 |
団 | 「ほう、それで俺の分は?」 |
重 | 「ええっ、何を言ってるんですか?」 |
K | 「あなたには『うまい棒』があるじゃないですか。」 |
団「と言うことは、俺の昼飯『うまい棒』?」 |
突然だが、場所を移動。
広大な岩手の風景(山しかないが)をバックに、
気分一新、記録への挑戦を再開する。
重 | 「いやあ、良い景色ですねえ。」 |
団 | 「うむ。何か、すべての俗事が小さな事のように思われてくるな。」 |
K | 「はあ。」 |
団 | 「それに、身体の奥底からすがすがしい何かがこみ上げてくる。」 |
K | 「はあ。」 |
団 | 「心が洗われるようだよ。」 |
K | 「はあ。」 |
団 | 「君たちもあれだな。あまり細かい事に固執してはいかんよ。」 |
重 | 「何が言いたいんですか?」 |
団「もう、勘弁してくれ。」
と言うわけで、
結果発表!
うまい棒73本完食
重 | 「こうやって並べてみると結構な量ですよね。」 |
K | 「ああ。それに臭いもすごいぞ。」 |
重 | 「うっ、確かにキツイ。73本分の臭いですからねえ。」 |
K | 「やはり、野外でやったのは正解だったな。」 |
団 | 「あの〜、水を〜。」 |
重 | 「団衛門さん、どうですか?挑戦を終えての感想は?。」 |
団 | 「まず、水を〜。」 |
重 | 「はい?」 |
団「水をくれ〜!」
ちなみに、裏ではこんな企画が進行していた!